田中勘太郎

Title:

固斂する風景

作品解説:

熱海、小田原間を繋いだ軽便鉄道がモチーフになった芥川龍之介のトロッコを読んだ。主人公と同じように土を掘り、トロッコに乗る事に憧れを抱いた。 トロッコこそ使わなかったが、ネコや車で運んだ。土まみれになった汚れた格好で、旧赤線青線エリアで美味しい食事やおでん、お酒を飲んだ。そのエリアで夜咲いてた植物を採取して、掘った土の重さで押し花を作る事にした。か細い植物たちを折らないように綺麗に配置し固定した。会期中に乾燥させて後で額に入れて飾れるようにしようと思う。盛った土から新たな植物とか生えるかな、とか考えながら僕は東京に幾つものトンネルを通って帰った。

プロフィール:
1989年東京都出身。東京藝術大学大学院先端芸術表現修了。幼少期に見て育った様々なゲームや映画などをもとにフィールドワークを行う。そこで採取したモチーフから映像や音、オブジェ、ドローイングなど多様なメディアに発展させ、それらを用いたインスタレーションを主に制作。東京北区でアーティストランスペース「JUNGLE GYM」を立ち上げ、運営を行う。 主な展示に、「デス・デストロイヤー・ディストラクション」(元映画館、2023)、「ghost below overwrite」(デカメロン、2023)、「5年をとる筏、trailer」(JUNGLE GYM、2022)、「惑星ザムザ」(牛込神楽坂、2022)など。