倉知朋之介

Title:

カーテンコール

作品解説:

カーテンコールは曲など追加のパフォーマンスをねだるのではなく、単に登場を要求するものである。喝采によって何かが始まるのではなく、エンディング後のエンディングシーンは可笑しさを孕んでいると考えた。 舞台の『演者』であるように振る舞う役者たちが、幕の終わりを示す行為(カーテンコール)を繰り返す様子が映像作品となっている。本来であれば戯曲があり演じられて、鑑賞者はカーテンコールを思わずしてしまう。しかし映像に映る『演者』らしき人々は、カーテンコールが生じるまでの物語の流れをすっ飛ばし、清々しい顔で舞台に現れカーテンコールに応え続けている。

プロフィール:
1997年愛知県生まれ。東京藝術大学映像研究科メディア映像専攻卒業。現在は東京を拠点に活動 。日常生活のなかで脈略なく発生する「可笑しさ」と、それを生じさせる事物の振る舞いに着目し、映像を軸としたインスタレーションを中心に制作を行う。