ABOUT GRANT
2021年に熱海でスタートした「PROJECT ATAMI」では、「熱海の魅力をアートにより再発見」することを目的に、滞在制作型プロジェクトである「ATAMI ART RESIDENCE」と、アーティストをサポートする仕組み「ATAMI ART GRANT」を二本の柱として取り組んでいます。
「PROJECT ATAMI」の柱のひとつ、若手アーティストの制作活動支援を目的とした取組「ATAMI ART GRANT 2024(アタミ アート グラント 2024)」は、2024年4月15日(月)〜5月12日(日)までの期間「超 -Beyond ATAMI-」をテーマに、熱海の街で熱海の魅力を独自の視点でみつけ、表現という形で出会わせてくれるアーティスト20組を公募します。
4年目となる今年は「超 -Beyond ATAMI-」をテーマに、様々な概念を超え、熱海の新たな価値や意味を見出し、リアル・オンラインの垣根も超えて、今まで以上に熱海市内様々な場所を多くの方に観ていただける形を目指します。
アーティストの募集は4月15日(月)からスタートします。GRANT認定者には制作費・滞在費を支援するとともに、本取組に共感してくださった行政・企業・個人のご協力のもと、2024年11月2日(土)〜12月1日(日)の期間、ATAMI ART VILLAGE を含む熱海市内において広く展示を行います。ぜひ熱海を彩る作品を、プランとともにご応募ください。
DIRECTOR'S STATEMENTS
「PROJECT ATAMI」が描く大きなビジョンとして、「熱海がアートであふれる街にしていきたい」を掲げています。
―街の至るところでアート作品を観ることができ、アーティスト・クリエイターが熱海に暮らし制作し発表することができる。熱海に暮らし働く地元住民の方々のクリエイティビティも増幅させながら、アーティストと市民で街をどんどん面白くしていく―
もちろんそれは簡単につくれるものではなく、5年、10年と年月を積み重ねて具現化されていくものでしょう。だからこそ4年目は「超 -Beyond ATAMI-」をテーマに、熱海で色々な垣根を超えていく挑戦をしたいと思っています。
熱海の過去や現在の魅力を尊重しつつも、今の私達の目に見える世界を超えた未来の熱海を想像していきたい。熱海の伝統的な観光地としてのイメージだけでなく、普段見過ごされがちな地元の文化や日常生活、自然の美しさなど、より深い視点で熱海を再発見することを目指します。
アーティストと地元住民、観客の間で対話や交流、新たな議論が生まれるような作品、場を一緒に創造してくれる人を待っています。
ATAMI ART GRANTプログラムディレクター 冠 那菜奈
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ATAMI ART RESIDENCEとATAMI ART GRANTは、熱海という土地柄を活かしたアートプロジェクトを展開しています。4年目の今年は、「超 -Beyond ATAMI-」をテーマにしています。
この「超」を考えるきっかけとして、赤瀬川原平の「超芸術トマソン」を取り上げます。「超芸術トマソン」とは、不動産に付着して保存された不要物であり、登っても意味のない無用な階段などが代表例です。
そして、「熱海史に付着して保存された不要物」に目を向けることで、様々な時代が入り混じる熱海という街を新たな視点で捉えることができますし、文字通り捉えるとこのような無用物がアートを超えるものだと考えることもできます。そして、街に佇むそれは、野生のパブリックアートとも言えるでしょう。
海と山、大陸プレートの衝突が生み出した地形、そして歴史が積み重なった熱海は、エネルギーの塊です、このエネルギーを源泉にし、「熱海」そして芸術祭を超えたものを創造していく。それが、今年の「超 -Beyond ATAMI-」での挑戦のポイントです。
ATAMI ART RESIDENCEプログラムディレクター 吉田山